2013年12月5日
【 ある口下手な男の話 】
今日は、11月22日は、夫婦の日。
そして、あまり知られていませんが、
「大工さんの日」でもあります。
この大工の日と認定されたのには、
いくつか理由があります。
11月は十一となり、表意文字化すれば
士(さむらい)の月となり、技能士に相応しいこと
22日は大工の神様・規矩術の神様といわれている
聖徳太子のご命日(誕生日は不詳)にあたること
11月22日を図案化すると、11は2本の柱を表し、
二十 二のそれぞれの二は土台と梁または桁、
十は間柱と貫を表して軸組の構造体となり、
大工さんとの関係が密接なことによります。
夫婦の日と、大工さんの日の
今日、地域のコミュニティラジオから、
大工さんのご指名があり、ラジオ出演の
付き添いにいってきました。
生放送で、緊張しながら、それでも、
普段は、話さないようなことを
話してくれました。
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「俺は、口下手だから、
なかなか伝えられない。
でも、今日は。。。」
そういって、話してくれました。
結婚して、30年、
親と同居ということもあり、奥さんは、
苦労の連続だったと思う。
何でも完璧にこなす、奥さんで、
がんばり屋。
そんな彼女に、俺は、男だから、
言葉さえも、態度でさえも、
感謝の思いを見せることがなかった。
たぶん、苦労の中に楽しみを
見つける天才だったのだと思う。
俺は、能天気だから、
彼女の思いも気付いてやれない
部分が多かっただろう。。。
でも、30年間、
毎朝、6時には、出発するする俺を、
毎日、俺より早く起きて、弁当を作り、
気分よく送り出してくれる。
言葉もかけない俺だし、ケンカの
連続だったのに、それはずっと続けてくれる。
なかなか伝えられないけど、
俺が仕事できるのは、
奥さんのおかげ。
感謝の言葉を言おうにも、
言葉では言い表せない感謝がある。
今日は、目の前にいないからいえるけど。。。
やっぱ言えないかな。
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私は、隣で、この話を聞いて、
涙をこらえるのに必死でした。
いい家をつくるには、
そういった大工さんの奥様の
内助の功が、大きいと
思います。
大工さんに限らず、
どんな仕事でもそうでしょう。
なかなか、言葉で伝えるって
恥ずかしかったり、できないですね。
今日の放送は、娘さんに
録音してもらっているので、
たぶん奥様にも伝わると思います。
文章では伝わらない、
その行間に含まれる30年分の
思いが、いっぱい詰まっています。
最後に、この大工さんが、
言います。
夫婦円満の秘訣は、
やはり、ちゃんと話を聞くこと。
建築でもそうだが、ちゃんと
話を聞きないから、あとで、不満が
残るんだよ。。。
俺も、この年になって
気付いたけどね。
今日は、いい夫婦の日と大工さんの日。
家の作り手にとっては、とても
大切な日。
それは、いつも助けてもらっている
奥様に感謝する日なのだと思います。
私も、育児や家事をほとんど妻にまかせっきり
なので、今日は、妻に感謝する日にして、
日頃は、やっぱり、いえない、感謝の気持ちを
ちゃんと伝えようと思います。
「ありがとう」
と。。。
ちゃんといえるかなぁ~。